【Statistics problem】 統計問題

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上高地の野猿
■統計問題 - Statistics problem —
今年になってのっけから厚生労働省の統計不正問題が発覚し、国会やら世間が騒がしくなっています。原因は〝全数検査″を怠っていたからとのことですが、その究明やら、政治的な意図はなかったのかなどを毎日侃々諤々やっています。対象は期間が2004年以降、内容は失業手当を含む雇用保険や労災保険などで、約2,000万人(日本人の1/3が対象)、総額が500億円以上だそうですから僕も対象の一人かも知れません。データの信憑性はそのまま国の信用問題にも繋がることから国民の一人として直ちに原因究明と是正を要求するのは必然ですが、反面この間のメディア報道を見聞きするにつけ、少々嫌気が差してくるのは僕だけでしょうか。
何がつまらないかと言いますと、まず国会における〝犯人捜し″はまったく滑稽です。ここ15年もの間綿々と不正が続いていたのが事実であれば、『誰』など特定しても意味をなさない。「そもそも役人が・・・」と糾弾してみても単なる憂さ晴らしでしかありません。また、総額500億円と聞くと途方もない金額ですが、対象者2,000万人で平均すれば一人当たり2,500円相当でしかありません。多少の凸凹があったとしても精々一人数万円でしょう。また、今後是正や追加支給の有無の可能性などは見当つきませんが、万一それらが何らなされなかったとしても土台財源が消えたわけでもないから、そのまま次世代に承継されていくわけでしょう。やがては自分の子や孫に引き継がれると思えば、存外目くじらを立てる程のものではないような気もします。
企業に当てはめた場合、統計(計数管理)が緩かったり誤魔化しがあったり誤認があったりすれば最悪倒産に陥ることだってあります。これが国家レベルともなれば即倒産はないでしょうが、向こう100年の体系を見誤る恐れは十分に考えられますから即座の再発防止は望まれるところです。ただし、視聴者のガス抜きとの観点から面白可笑しく報道するメディア姿勢やSNS投稿にはもう辟易しますし、同時に、的を外したへんてこな国会中継も、これ以上はご勘弁願いたいと思います。嗚呼!